悪魔がひそむ城
ローザは、ホラー作家ライアム・ジェイムスンに会うために、スコットランド沖に浮かぶ島に向かっていた。
ライアムと行動をともにしているらしい妹からの連絡がとだえ、心配する母に請われて、はるばるロンドンから捜しに来たのだ。
島に降り立って、心もとない思いにとらわれているとき、フェリーの中で知り合った美貌の男性が声をかけてきた。
「ぼくが、ライアムの住むキルフォイル城まで連れていこう」名前も知らない男性についていく? ローザが躊躇すると、彼はルーサー・キリアンと名乗った。
その名がライアムの小説の主人公であることにローザは気づかなかった。
お天気キャスターから新しいトーク番組の司会者に大抜擢され、意欲に燃えるアビーは大物ゲストの出演をもくろむ。
かつて伝説的な時事番組の司会者として名をはせ、スキャンダラスな事件をきっかけに姿を消したマックスだ。
彼を引っ張り出すことができたら話題をさらうこと間違いない。
アビーは説得のためにマックスの自宅に押しかけた。
内心、彼の男っぽい魅力に圧倒されながらも、アビーは果敢に話を進めようとした。
するとマックスはにこりともせずに言った。
「君はチャンスをものにするためにディレクターと寝たのか?」ヘザーは、昼は補助教員、夜は海運会社で派遣社員として働いていた。
ある晩、仕事先で空腹のあまり倒れてしまったところを、ずっと憧れていた社長のテオ・ミケルに助けおこされる。
思わぬ幸運を噛みしめていたのもつかの間、彼のお節介のせいで派遣の仕事を首になってしまう。
数週間後、責任を感じていたテオが、住みこみで家政婦の仕事をしないかと持ちかけてきた。
ヘザーは大喜びで引き受けたが、息子の結婚を望むテオの母に恋人だと勘違いされたことから、彼と同じ寝室を使うはめに……。
カリフォルニア州、カタリナ島、アバロン・カジノ。
トレーシーは島の名所となっている昔のカジノに、なぜこんなにも強く引きつけられるのか、わからなかった。
さらに奇妙なことに、島を訪れてからずっと同じ歌声が聞こえてくる。
それもほかの観光客に聞こえている様子はなく、彼女だけに……。
アンドルーは人々にまぎれてトレーシーを追っていた。
彼女は(オメガ)本部で聞いたような、国を裏切る悪人には見えない。
むしろ魅力的な容姿に、アンドルーは任務を忘れそうになっていた。
だが上階のダンスホールまで来たとき、そんな気分は吹き飛んだ。
トレーシーが不意にみんなから離れ、バルコニーへと駆けていく。
このままでは下の海に落ちてしまう! 彼はあわてて後を追った。
少女だったエリザベスの目の前で、正義は否定された。
両親の命を奪われたうえ、事件は王室関係者に握りつぶされたのだ。
以来、エリザベスはずっと悲しみと憤りを胸に生きてきた。
ある日、彼女の経営するレストランに、新しいバーテンダーのエイダンがやってくる。
輝くブロンドの髪にブルーの瞳。
ほほえみを浮かべ、情熱を含んだまなざしで見つめてくるエイダン。
エリザベスは一目で惹かれながらも、ハンサムすぎる、トラブルのもとになりそうな彼に、心を開くのをためらう。
この人はただのバーテンダーではない気がする。
いったいなにが目的でわたしに近づいてきたの?続きはこちらから⇒ttp://www.ebookjapan.jp/shop/book.asp?sku=60019031